日本油脂の岡本甲子男社長は、若いときは周囲から「生意気なヤツ」だと思われていたそうだ。
実際に、酒の席で上役を殴ったことが三回もあったくらいで、40歳前後のころは、「本社の廊下を肩で風切って歩いている」と言われていた。
それでも、岡本氏は人に何といわれようが、「目は仕事に向いていたから、気にならかった」と言う。
食用油脂、石鹸、火薬と所属を変えていった彼が、他人のカゲロも馬耳東風とばかりそれぞれの部門で夢中になって働けたのには理由がある。
彼は自分の営業記録をどんどん更新していくのが楽しみで、人が自分のことをどう評価しているかなどということは、まったく気にならなかったのである。
ライバルには先輩や上司だけでなく、自分自身をライバルにするという方法もある。
他人とくらべてどうかよりも、以前の自分とくらべてどうかとつねに考えてみる。
大橋直久(マナー講師)