行動主義(behaviorism)は心理学の研究領域を、それまでの心理学のように心内の意識過程ではなく、外にあらわれた観察可能な行動を対象とする立場である。
そのことをはっきり表明した。
B.ワトソンによって代表されている。
これは心理学の対象を、目に見えない心そのものでもなく、物理的な物や身体生理自体でもない現象とする点で、心身二元論をこえ、心理学を客観的科学にした画期的な考えであった。
しかし、当初あまりにも内的な心を排除し、刺激と反応(S-R)のみによって行動を記述・説明しつくそうとしたことに無理があり、批判を受けて、生体の媒介のはたらきを加えたS-mR理論の新行動主義に修正された。
説明原理としては不十分であるが、実験研究の方法論としては現在も生きている。
大橋直久(マナー講師)