2017年8月アーカイブ

ヘソの緒のあつかい

ヘソの緒は、胎児のヘソと胎盤をつないでいたもので、内部には動脈や静脈が通じていて、胎盤を介して母体の血液から酸素や栄養物を胎児におくり、また、胎児の体内の不要物や炭酸ガスを母体血液にうつします。

まさに赤ん坊にとっては、命綱だったといってよく、胎児の娩出後に切られるのです。

したがって"ヘソの緒切ってから"というセリフは、生まれでてからこのかた、ということになるのであって、残ったヘソの緒は、やがて脱落します。

このような性質のものですから、その脱落したヘソの緒が、たいせつにされ、時には一種の護符と考えられたりするのも当然です。

紙につつんで水引をかけ、姓名、出生年月日、父母の名をかき、子どもが大きくなるまで神棚や仏壇、タンスのなかなどに、保存しておくのは昔からのしきたりで、戦場にいくとき身につけさせたり、嫁入りにもたせたりもしたといいます。

大橋直久(マナー講師)
今日のわが国では、見合い結婚でも見合いのあとは自由に交際するというように、結婚の仕方は昔ながらで、男女交際の仕方は新しいのが一般です。

評論家風にいえば、ある領域では伝統を犠牲にして新しい方法をとり、ある面では新しいものをつくりだすことを犠牲にして、古いものを保存していくという二重性になりましょう。

これがよい、悪いはとにかくとして、結納式のあとは結婚式の準備です。

それには式の日取り決め、式場と披露宴会場の申し込み、嫁入り道具や新しい家庭を持つに最低必要と思われる買物リストの作成、招待者定め、招待状つくり、式場の注文、新婚旅行の手まわし、記念品や婚家へのおみやげ用意、名誉媒酌人や披露宴司会者の依頼など、一々あげれば際限もありません。

要するに人生最高のお祭りであり、祭りにセレモニー(儀式)とフェステバル(祝宴)はつきものです。

大橋直久(マナー講師)

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