現金や商品券は、何にでも自分の欲しいものにかえられるというので、貰った方ではまことに重宝で、本当は贈り物としてはもっとも気が利いているものなのです。
また贈り主としても、品選びの必要もなく、手数もかからない、便利なものです。
ただそれだけに、好きなものを買って下さいと相手に渡すこと、手数を省くことの簡便さが、心をつくした贈り物ではないと思われる向きもあるので、目上の人に対して贈るのは遠慮した方がいいのです。
ただし、弔事のときとか、火事見舞いのような非常の場合には、目上の人へ向けて現金を包んで差し上げても少しも失礼ではありません。
現金を贈るときは、新らしい紙幣で贈ります。
郵送するときでも、じかに封筒に入れないで、のし袋に入れて記名してから現金書留などにします。
デパートなどの商品券は、相手が使いやすいように相手の住居から近いところ、交通の便のいいところにあるデパートのものを贈るようにします。
大橋直久(マナー講師)