人間の発達における弁証法的な考えは、いろいろな意味であらわれている。
一つは、J.ピアジェの発達論のように、同化と調節の対立したはたらきが次々と均衡化された状態として、新しい発達段階が形成され、同じ傾向が反復されながらもうえの水準にあがっていくらせん状の発達を説く説である。
また一つは、H.ワロンやK.F.リーゲルのように、発達は人格や社会的相互作用における危機や矛盾によって生じ、また発達はたえず新しい危機や矛盾を生じさせるという考えである。
また、L.S.ヴィゴッキーのように、個体・生物的発達と社会・文化的発達の相互作用を強調する考えもある。
大橋直久(マナー講師)