現代は、異種業間の競争、つまり多角競争の時代であるから、自分の業界を展望するだけの狭い感覚で企画を練っていると、途方もない領域の異種業界から突然に妨害の手が伸びてくることがあるものだ。
多角競争の激しい現代ビジネスにおいては、経営の多角化戦略のもとに、企画も多角的視野に立って立案することが大事なのだが、特に多角的防衛を怠ってはならない。
ところが、ほとんどの企画は、こうした防衛をしていない。
味方ばかり、協力者ばかりの中でビジネスができるものとして、企画立案をしている。
これは、観念論者の無防備平和論と同じで、実際には、まったく通用しないのである。
ビジネス社会では、毎日、無数の企画立案が行われているにもかかわらず、その大部分が日の目を見ない。
大橋直久(マナー講師)