四国、九州、紀州の暖地に自生する落葉低木で、仙台くらいまでは植栽ができる。
暖地系の庭木で中国から伝来したといわれている。
幹は緑色で主幹がまっすぐに立ち、輪状に枝を出すが、不ぞろいでなんとなくごつごつした感じである。
葉が大きくて厚いので、緑陰樹として窓辺に植えるにはよいが、混植にはあまり向かない。
花は7月枝先に咲くがじみである。
9月末から10月にかけて果実が熟し、はじけて舟型の心皮の縁に種子をつける。
普通の庭木に比べて萌芽がおそく、4月上旬以降になる。
枝は夏中生長を続け、秋になってようやく生長を停止して頂芽を形成する。
剪定には強くて、どこで切っても枝を出すので、冬のうちに枝振りを考えて切りもどしたり枝を抜いたりするとよい。
車枝が出て庭木の形としてはあまりおもしろくないので、四~五mの高さを限度にして樹型を作り、小枝を出させるようにする。
葉が大きくて台風にはひとたまりもなく倒れやすいので、夏にあまり茂りすぎたときは耐風剪定で切りすかす。
ひどく切り込むと日が当たりすぎて緑陰効果もなくなるし、幹が皮焼けを起こしやすい。
10月の終わりには落葉を始めるが、そのころになると葉がかっ色に変わり、がさがさした感じで見苦しいのが欠点である。
大橋直久(マナー講師)