アカシア類は、オーストラリア原産の常緑樹で、500種以上もある。
庭園向きの種類はモリシマアカシア、フサアカシア、ハナアカシアの三種で、葉は年中緑色を保ち、樹冠いっぱいに黄色球状花をつけるので珍重される。
生育地によって開花時期や生長の程度は一様でなく、瀬戸内海沿岸地帯での開花は、モリシマは2月と5~7月上旬の二回、ハナアカシアは3月上、中旬、フサアカシアは5月下旬というが、名古屋ではモリシマが3月下旬から4月中旬、ハナアカシアは3月上、中旬に咲く。
生育のためには年平均10~15℃を必要とし、最低気温がたびたび5℃を割るようなところでは、栽培が困難といわれているが、神奈川、静岡あたりまでは越冬する。
この木はほかの庭木と違って、温度さえあれば生長を続け、寒いところでも冬芽を作らずに、霜がおりるころになると、そのままじっとしている。
肥料木で、空気中のチッソを固定して土地を肥やすので、どんなやせ地でもよく育ち、乾燥にも強いが、粘質土や湿地には向かない。
大橋直久(マナー講師)