2017年2月アーカイブ

これは米国・ミシガン大学テイシー教授の実験による話だが、「オーブンにのせた鍋に水を張り、そこにカエルを入れて徐々に暖めていくと、カエルは居心地がよく、飛びだそうとせずに最後はゆであがって死んでしまう」ということだ。

しかし、「沸騰した湯鍋に投げ込まれたカエルは、瞬時に鍋から飛びだして助かる」

職場の問題解決も徐々にするよりも、急なほうがよいという例えである。

松下電器の元社長 山下俊彦氏はものごとの改革について、次のように述べている。

『会社が大きくなったり、その業績が上っていると、まだ大丈夫と誰もが油断する。

というよりも社員が危機のセンサーに鈍感となる。

だから業態改革は、十人中に九人が反対している時期に着手せよ』

『十人中に九人がピンチと思ったときは手遅れだ』

現状に安住を戒め、常に問題意識と危機意識をもって対応することだ。

大橋直久(マナー講師)
誤解を招かないで、顧客を納得させるよう話をすすめるためには、「ラポール」ということを知っておくと便利です。

フランス語で「調和」とか「一致」を意味する言葉ですが、これは対話のもっとも理想的な状態をさします。

つまり、いま自分と、相手との間で、話の進展具合がどうなっているかを考え、一致させる必要があるということです。

二人の人間が対話をする場合、考えられるのは、つぎの五つのケースです。

(1)両方がわかっていないことを知りながらだまっている
(話し手が、表現がへたで、聞き手も聞き方がへた。それぞれがあとで修正しようと思っている)

(2)話し手がへたなために、聞き手によくわからない

(3)話し手は正しく表現しているが、聞くほうが聞きちがえる

(4)双方が理解しているようで、じつは誤解している(1とちがって双方気がついていない)

(5)相互理解(双方が正しく話し、まちがいなく聞いている)

この五番目の状態がいわばラポールですが、困るのは、他の四つの状態でも表面上はスムーズに対話をしているようにみえることです。

先の例でいえば、両替で問題をおこしたのは、話し手がへたなためです。

割引手形の場合は、聞くほうの早合点ともいえるが、結果的には双方の誤解です。

交渉ごとでは、「いった」「いわない」でもめることがありますが、そういうことがおきるのは、ラポールの状態で話がすすまなかったからといえます。

話すときは、つねに相手に自分の話していることが、正しく伝わっているか、相手が不愉快になったり、内容を誤解していないかを、確かめる必要があります。

大橋直久(マナー講師)

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