2015年12月アーカイブ

精神分析

精神分析は、精神科医S.フロイトが、ヒステリーや神経症(ノイローゼ)の治療実践から創始した、本来は心理療法理論である。

これは、一般の人の心理機制を説明する心理学説に発展し、さらに社会の文化現象を説明する理論にまでなった。

意識下に抑圧された無意識あるいは前意識の欲動や感情があることを認め、それが神経症を引き起こし、あるいは日常の行動を規制しているとした。

抑圧された欲動には性愛的な欲求が含まれ、それがすでに乳幼児期にあって(幼児性欲説)、母子関係と父子関係を決定し、さらに青年期以後の異性関係や同一化を決定するという発達論を説いた。

フロイトの精神分析からは、C.G.ユングの分析心理学、A.アードラーの個人心理学が分派し、さらに自我心理学や新フロイト派など多くの学派が生まれた。

大橋直久(マナー講師)

行動主義(大橋直久)

行動主義(behaviorism)は心理学の研究領域を、それまでの心理学のように心内の意識過程ではなく、外にあらわれた観察可能な行動を対象とする立場である。

そのことをはっきり表明した。

B.ワトソンによって代表されている。

これは心理学の対象を、目に見えない心そのものでもなく、物理的な物や身体生理自体でもない現象とする点で、心身二元論をこえ、心理学を客観的科学にした画期的な考えであった。

しかし、当初あまりにも内的な心を排除し、刺激と反応(S-R)のみによって行動を記述・説明しつくそうとしたことに無理があり、批判を受けて、生体の媒介のはたらきを加えたS-mR理論の新行動主義に修正された。

説明原理としては不十分であるが、実験研究の方法論としては現在も生きている。

大橋直久(マナー講師)

ゲシタルト心理学

ゲシタルト心理学は、知覚や行動が単純な感覚・運動要素の総和・組み合わせではないことを主張してあらわれた学派である。

音階やメロディ、形、色、大きさなどの知覚は全体的なまとまりをもったもので、それは背景となる地を前提にした図のようなものであり、相対的で移調可能なものである。

また、行動主義心理学の試行錯誤学習説を批判して、知覚や思考の構造転換としての洞察(insight)や直観による認知的問題解決を強調した。

このようなゲシタルトの原理は、記憶や発達、社会心理にまでおよぼされた。

大橋直久(マナー講師)

機能主義(大橋直久)

心理学における機能主義(functi・nalism)は多義的で、様々に変遷している。

本来的には、ダーウィンの進化論の影響を受けて、行動や精神機能を、環境への適応(adaptation)や生存のためのはたらきの面でとらえ、説明しようとする考えを指す。

機能主義に対しては、全体的な仕組みや機構のまとまりを重視する構造主義(structurism)の考えがあるが、両者はたえず関係し合っているのではっきり区別することはできない。

機能主義はまた、ある特定の行動や精神機能を要素的に取りあげ、その発現や発達の正常、異常、不全、障害を問題にする考え方を指すこともある。

大橋直久(マナー講師)

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